パタゴニアはYulex社とのパートナーシップのもと、ストレッチ性が30%向上し、速乾性があり、温熱効果が高い植物ベースのウエットスーツに着手しました。パタゴニアのミッション・ステートメントである「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する。」このミッションはウエットスーツ作りにも活かされ、来春より発売されることになりました。
このウエットスーツの新素材の原料は、アメリカの砂漠に生えて、少ない水で栽培でき、殺虫剤を必要としない非食用の作物「グアユール」。今までウエットスーツで使用されていた、石油由来のネオプレーン(合成ゴム)に代わる素材を使用することでより環境への影響を減らすことが可能になりました。
この写真の左側にあるのが「グアユール」という植物。この植物から初の再生可能な生物由来のスポンジラバーが出来ました。一番右が工程を経て出来上がったスポンジラバーの生地。
今回の発表に合わせて来日したパタゴニア米国本社、サーフディレクターのJason McCaffrey(ジェイソン・マッカフリー)。
彼は「ウエットスーツを作り始めた頃から、ネオプレーンはその生産過程の特性から環境に最も影響を与える製品であるということが分かっていました。当初ウールのように暖かい革新的な素材を作る方法でアプローチし、出来る限りネオプレーンを減らす努力をしてきたが、真の意味でネオプレーンに代わる新しい素材を作り出す必要があるということに気づいた。」とのこと。そして4年間クリーンテクノロジー企業のYulex Corporationと作業をし60%グアユール(植物)ベースのウエットスーツをつくることが可能となるユニークな素材を開発。
またジェイソンは「他のブランドがこれを面白いと感じてくれて、ウエットスーツに用いられる伝統的な素材であるネオプレーンに代わるものを進化させ、利用する努力に加わってくれることを願っています。」と述べた。
柔軟性、強度、耐久性を兼ね備えた次世代環境対応型のウエットスーツの販売を世界に先駆けてパタゴニア サーフストア2店舗(サーフ東京-東京都渋谷区、サーフ千葉-千葉県一宮町)にて来春より開始。
テクスチャーは、とてもしっとりとした感覚。肌に吸い付いていくような感覚で、またストレッチ性が向上したことで、パドルをするときに筋肉への負荷が減り、より快適なサーフィンが可能。
グアユールの畑と液状のグアユール。
☆「Common Threads」(コモンスレッズ)をご存知ですか?☆
“共通のテーマ”や”共通点”という意味で、パタゴニアでは、Reduce、Repair、Reuse、Recycle、Reimagineというキーワードを掲げ、その一つ一つについて「Patagoniaとしてはこれをやります」、「お客様にはこのようにしていただきたい」ということを示しています。そして、賛同者を募っています。「コモンスレッズ・イニシアティブ」は、ウェアをより持続可能な方法で製造、購入、使用することで製品のライフサイクルの循環の輪を結ぶこと、着古したウェアから新しい製品を作り出し、決してパタゴニア製品を廃棄物として埋め立て地で眠らせないことを目的としています。
つまり、パタゴニアの新素材のウエットスーツを選択することは、自然への悪影響を減らすことができる。自然があるからこそ、私たちは海に入ることができ、サーフィンを楽しむことができる。環境に負担をかけない素材を選択することは、このサイクルの循環を活かす事ができ、また次世代へ豊かな自然を残す方法ではないでしょか。
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