大学時代には毎日モペットに乗って通学してたから僕のことは中級ドライバーって呼んでもいいよ。振り返れば4年間のうち、2回しかコケたりクラッシュしなかった。だから旅をするたびにモペットとかスクーターを借りるんだ。一日中渋滞にはまらずに近場を周るにはベストな乗り物。今まで15年間の夏のバリでも乗ってたから、かなり運転レベルは高いよ。みんなインドネシアはおかしいと言ってた。その後日本からベトナムに行く前にマツが、道路にはかなりの数のバイクがいるから気を付けてって言ってくれた。だから“インドネシアで乗ってるから大丈夫!”と答えた。だけど僕が間違いだったよ!
ベトナムにはルールが一つも無くて、人がいても誰も停まらないし、信号で停車しないし、レーン内をきちんと走る人もいないし、かなりクレイジーでぐちゃぐちゃだった!街中の人が全員スクーターに乗ってるみたいだった。ルールが無いから、運転についての知識なんて誰も持っていないみたいだった。3日間スクーターに乗ったけど、ホテルを出発する時はいつも、どこかの道ばたで死んじゃった時のことを考えてた。死んだら僕だと分かるように、ポケットにドライバーライセンスを持ち歩いてたんだよ。だけど、ベトナムでバイクを借りるのには、ライセンスなんか必要ないからね。1日10ドル支払うだけでいいんだ。
1日目、サングラスとマスクをせずに運転した。1本目のストリートを走った後、見えなくて息が出来なくなった。ハノイの空気の質は最悪だよ。だから戻ってサングラスをかけてマスクを買い、ベトナムのスクーターストリートに紛れ込んだよ。僕はひっきりなしにクラクションを鳴らしながらスピードを出し、間をぬうように走ってた。きっとみんな僕のことをクレイジーだと思ったに違いない。笑
僕が借りたスクーターはすごく早くて、今はクレイジーな東南アジアでも運転できるレベルになった気がするよ。
** もし君の命が僕よりも価値があるなら、東南アジアでスクーターには乗らない方がいいよ。一度ミスすれば、命を落としかねない。もし、道ばたで死んで倒れていても、町の人たちは次から次へと走り乗り越えて行くかもしれない。もし警察を呼べたらラッキーだ。彼らはやって来て、ただお金を取って行くだけだけどね。笑