ミッション1で海岸線を運転していて、全てが津波の被害にあった小さな漁村に立ち寄った。そこはアベさんという親切な漁師さんに出会った場所。彼は僕らが持って行った物資から寝袋を選び持ち帰った。別な津波が襲ったときに備えて、車の中で寝続けてるんだと教えてくれた。ボートも家も、今まで所有していたもの全てを失ったんだ。でも彼は、希望だけは失っていなかった。僕らはきっとまた戻って来ると伝えたけど、実際は信じてないような感じで僕のことを見てた。
話は進み、ミッション2。その漁村に立ち寄り、一番に探した人がアベさんだった。会った時、アベさんは僕らを見てすごく嬉しそうだったし、僕らも彼に会えてもっと嬉しかった。村の周りの状況は以前と変わらず、がれきの清掃などに支援しに来る人がまだ誰もいなかったみたいだった。でもアベさんは、滞在している避難所の周りを片付けしていたんだ。出発する時間が来たとき、僕は彼に言った。“また来ます”。アベさんは、“待ってます”と答えた。
ミッション3で、もう一度アベさんに会いに行った。彼の志は高かったけど、村は前と変わらなかった。ミッション4の時には、がれきが積み重なった道路をどうしようか考えてる彼を見かけた。話を聞きに立ち寄り、ハワイから持って行ったおみやげをいくつか手渡した。津波から5か月後だったけど、僕らチームは、あまりにも状況が良くなるのが遅すぎるのが信じられなかった。アベさんはそのときもまだ狭い避難所で生活をしてたけど、やっと政府が建てた仮設住宅に引っ越しする予定だと教えてくれた。お祝いするようなこと?そうとも言えるけど、違う。答えは、質問する相手による。
ミッション5でもアベさんを探しに行った。彼は村にはいなかった。代わりに、通りを何キロが上がったところの住宅地に引っ越していた。彼に会いに住宅地に立ち寄ったら、何が起きたと思う?ちょうど、タバコを吸いに外を散歩していたんだ。まさに偶然。こういうのが僕らがしてきたこと全てにやりがいを感じる瞬間だ。正直言って泣きたかったよ。その時は、強い気持ちでそこにいなければいけなかったから、泣かなかった。でも今、この写真を見てたらすごく感情的になった。僕がアベさんに再会できてすごく嬉しいのが分かるよね。スタートした時からの色んな感情がカムバックするような瞬間だ。彼は、僕らのことを待っていてくれて、きっともうすぐ来てくれると思ってたんだと話してくれた。We Are Oneの主なゴールの一つは、長期間サポートをすること。この時は震災の8か月後だったけど、We Are Oneが東北の被災者たちを引き続き支援していることを誇りに思う。世界が日本の復興を忘れかけているけれど、僕らは限られたリソースで、可能な限り支援していくつもりだ。絶対に諦めない。ずっと強い気持ちでいるし、支援を続けていくよ。そして、僕らはいつでもONE!
アベさんへ、
あと2週間したら会いに行きます!