M1: Only the Beginning

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ちょうど東北で撮った写真のフォトライブラリーに目を通してたところ。かなり前の出来事だけど、僕が東北にいたのは昨日のことみたいだ。ミッション1は4月5日(3/11のわずか25日後)にスタートした。そして僕らは和歌山から東北まで18時間ものロングドライブをした。初めて立ち寄ったのは、放射線避難区域だった南相馬市。
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南相馬市に近づいた時、僕らは放射能汚染防止のユニフォームを身に着けた。レインジャケットとロングパンツ、ゴムブーツ、マスク、グローブ、ゴーグル。僕らは放射能については考え過ぎだったけど、分からない場所に立ち入るのはすごく怖かった。ここは、南相馬の市内の中心部。政府が外出を禁止していたせいで、外には誰一人いなかった。そんな場所を通過するのは不気味だった。
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ここに立ち入ったら、死んでしまうような区域。そう、僕らはそう思っていた場所。本当は支援しに行きたかったけれど、同時に法律に逆らいたくなかった。
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ここは、僕らが津波の被害を初めて目の当たりにした場所。いまだに何千人もの行方不明者が瓦礫の下にいると分かっていたから、すごく怖かった。こういう場所を何キロもドライブするのは本当に悲しい気持ちだった。でも、生活している人に出会えば、僕らは立ち止まって支援をしたんだ。だから4日間で僕らの1台目のトラックは空っぽになった。
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こういう経験は大人にさせてくれると思う。ナオヒロのことは若い頃から知り合いだったから、僕の中では可愛い子だったけど、このトリップの後には確実に大人になった。こういう経験を直に経験すると、絶対に成長するよ。
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僕は今日までずっと、愛する家族が見つからないファミリーのことを考えて悲しくなる。すごく心が痛い。自衛隊が何日も遺体を捜索しているのを見て、気持ちが落ち込んだ。
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僕はウソをつきたくない。何度も声を出して泣いた。悪夢の中で生活していたような気分だった。そして、短い間で色んなことを目にして、チームのガールズにとっても辛かったはずだ。ガレキや臭い、煙、寒さは、僕ら全員の心に大きな負担となった。これは、あっこちゃんとカナちゃんが一休みしているところ。
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牡鹿半島のこの村は全てが壊滅状態だった。この後、漁師さん達がどこへ行ったのかは分からないけれど、大変だっただろうと思う。毎日を海で過ごす生活をしていたのに、一瞬にして終わりが来たような感じだ。いつか彼らがもう一度海に戻る日が来て欲しいと思う。でも今は、村は片付けられて、誰一人、住む人はいない。
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その村が完全に津波で流された後に通り過ぎた。左側にある津波の防波堤は3/11には十分な高さじゃなかった。
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それから北へ向かうほど、状況はひどくなっていった。大船渡と陸前高田は消滅していた!ここを通り過ぎるときは、ただ無言でドライブしていた。でも物資が必要な人が何人かいたから、喜んで支援したよ。実際、ミッション1を通じて僕らが持って行った物資にみんながすごく喜んでくれた。
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日本の頑丈なフィッシングボートがこんな風になっているのを見ると、呆然とした。これは3/11からたった1か月後だった。ミッション1の最終日で、物資は無くなり、帰らなきゃいけないときだった。みんな、何が必要で、何が必要じゃないか、良くわかった。ミッション2はすでに計画されていて、ミッション1の後は家に帰るなんてありえないような気分だった。
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何日かして東京に戻り、気持ちをリセットした。何事もなかったかのように見える大都市に戻ったのは奇妙だった。食料もたくさんあるし、電気も通じてるし、すべての状況がノーマルみたいだった。そして東北のことを考えると、すごく申し訳ない気持ちだった。そして中目黒の桜を見に行った。日本の美しさを見て、リフレッシュしたしパワーが蘇ったようだった。
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バンに荷物をもう一度積み込むために湘南へ戻った。ミッション2は新鮮な果物や野菜、シーフードを持って行くのが目的だった。手頃だけじゃなく、美味しいもの。日本中から食料のボックスが送られたけど、僕らはふさわしい人たちに手渡ししたいと思ってた。ミッション1から戻って来て4日後、ミッション2へと出発した。写真はまた後で。

KIRBY FUKUNAGA
ハワイで生まれ育ち、プロサーファー、フォイラー、スキンダイバー、カメラマンの肩書きを持ち、ウォーターマンとして、海で多くの時間を過ごし、海から多くのモノをもらいながら生活しています。彼が伝えようとしていることは、海がある生活は僕らを豊かにしてくれるということ。そして、自分だけではなく、いろいろなことをみんなにシェアし、人生を楽しむということ。現在は、ハワイでプライベートサーフィンガイドを主催。
カービー福永のハワイサーフィンガイド
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