2011年のミッション2で、僕らは石巻の牡鹿半島のメインロードを入ったところに、漁村があるのを発見した。そこは、最も被害を受けた村の一つ。その時は津波から1カ月も経っていなかったけど、ここだけは何かが違っていた。村に立ち寄ったとき、朝から晩までガレキを片付ける漁師さん達のグループを見かけた。小渕浜の人たちは、政府の支援があろうとなかろうと、不安を抱えながらも、その状況を元通りにしようと必死だった。
僕らは、その漁師グループの中にいた木村さんに出会った。彼はみんなの想像を超えるほどのものを失った人。いまは、その話はしないでおく。考えると泣いてしまうから。
とにかく、僕らが小渕浜に行くたび、木村さんは笑顔で温かく迎え入れてくれた。それ以来、僕らは友達になり、いまでは彼は僕の人生の一部だ。木村さんのことを考えたり、笑顔を見るだけで、強さをもらえる。
そして、いま。
木村さんの新しい船のセレモニーがあると聞き、カレンダーをチェックして、スケジュールを調整し、ずっと願っていた出来事を絶対にミスしたくないと思った。この日のために過ごし、人生をコンプリートしてくれるような日だ。
ビッグでストロングで、ソリッドな新品の船が、小渕浜の港に入って来るのを見て、鳥肌が立ち、涙ぐんだ。
眼に溜まっていく僕の涙がどんなものかは説明しがたい。100万ドルの宝くじに当たっても、ワールドチャンピオンシップで優勝しても、僕は泣かないはず。もしアメリカの大統領になっても泣かない。だけど、今回は別物だ。今回は、3年8カ月の感情が、一瞬で全部一つになった。この日を待ちわび、この日こそが僕の”The Day”! all happiness, all smiles, and all joy.
これぞ、We Are One。
ジャパンカルチャーはアメージング。色彩豊かで、伝統も多く、意味深い。旗の文字は読めないけど、僕にもこういうモーメントでは、これが計り知れないほど大切なものってことは分かる。
それから、船にいた他の漁師さん達も素晴らしかった。みんなは僕のこと覚えてないかも知れないけど、僕は、一人一人のあの悲しみの日のストーリーをそれぞれ覚えている。
a very strong boat for a very strong man.
そして、横には木村さんの息子。素晴らしいモーメントだった。
この日は0度で雪がちらつき、凍えていたけれど、いままでで一番温かい日だった。
three generations of the Kimura-san blood, sweat, and tears.
そして、小渕浜を出発しようとしたとき、マツが”Hey Kirby, MISSION ACCOMPLISHED!”と言った。泣きそうだった。嬉し涙が出た。
love you all! We Are One.
Photos by: Matsu