僕は普段、物事に計画を立てず、自然に行動するのが好きだ。富士山に登った時も何の計画もしていなかった。何年もその山を目にしていたけど、日本での台風チェイスと仕事の合間の休日に登ったんだ。思っていたよりも遠くて寒く、そして思っていたよりもずっとやりがいがあった。凍えそうな寒さと、ズキズキする頭痛がなくならないせいで、2回諦めそうになった。心の奥では、次のチャレンジがいつになるか分からないから、ただ登り続けようと思っていた。だけど、頂上に着いたとたん、世界のてっぺんにいるみたいな気分になった。あの日は忘れられないよ。下山する時には、“絶対にまた登ろう!”と言いきかせてた。そう、前とは気持ちが変わったんだ。もし富士山に立ち寄る機会があったら、もう一度登りたい。あのサンライズは永遠に心に刻みこまれるだろう。
太陽がゆっくりと雲の間から顔を出した時、僕は心にも身体にも、山が見せたマジックを感じていた。その時の気持ちは言い表せないものだった。