写真を撮るのは楽しい。自分のフォトライブラリーを振り返り、何年もかけて写した写真を全部みるのは、かなりクールだよ。僕は初めは“ハイ、チーズ”って言うようなフォトグラファーだった。だからポージングショットを撮っていた。被写体がまっすぐ僕を見ていないと撮れなかった。そんなスタイルは嫌いだったけど、いい方法が分からなかったんだ。
5年前から実験し始め、違うスタイルで撮り始めた。ポージングショットから離れ、“ザ・モーメント”をとらえたかった。その瞬間が大事だと思ってる。その時、エネルギー、ほんの一瞬。
どの写真にもストーリーがある。これは、松川シュンスケが撮った“The Moment”。木村さんと僕は13年位の付き合いだ。初めて会った日から、彼は僕を家に泊めてくれた。自分の家にいるような、家族の一員になったような気持ちで、心地よかった。何年もの間、僕らは旅やサーフィンを通じ、一緒にビールを飲み、どんどん仲良くなった。こないだ和歌山に旅行した時、パーフェクトなサーフィンの日を終え、僕らは堤防に座ってた。マツがこの写真を送ってくれた時、すごく驚いた。写真をよく見て、僕がどれだけ嬉しかったか気付いたよ。今よりもいい場所なんか無いはず。世界中を旅したり、友達とサーフィンしたり、新しい友達に出会ったり出来るのは、みんなが欲しがる人生だ。僕は自分の人生をどんなものとも交換したくないよ。
ちょっと個人的な話なんだけど、僕のオーサキお祖父ちゃんは4年前に亡くなった。彼が僕に最期に言った言葉は、“カービー、僕は素晴らしい人生を生きたよ”。それ以来、最高の人生を送る事ができるように生きるのが課題になってる。それは、お祖父ちゃんのためでもあるし、僕や周りのみんなのためだ。僕は危険なライフスタイルだから、明日死ぬかも知れない。だけど、みんなに知っておいて欲しい。“僕は素晴らしい人生を生きた”ってことを。それは毎日を、これが最後かも知れないって思いながら生きてるからだよ。みんなも同じように生きて欲しいな!