添田 博道 – hiromichi soeda –

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ハードコアサーファーというフレーズが久しぶりに蘇った。53歳になったヒロミチさんはカンペキにサーファーのお手本になってきた。サーフィン歴41年というキャリアが積み重なり、SSJサーフボードファクトリー運営の舵取りをこなす一方、サーフィンは片時もおろそかにせず、サーフィンを自分の生き方のバロメーターにしっかりとすえて生き抜いてきた。やはりヒロミチさんには何かある。どんなサーフレジェンドになっていくのか。皆さんで応援しましょう。

Q : いまだに現役バリバリのサーファーであるヒロミチさんなんですけど、サーフィン歴はどのくらいになりましたか?
今年の6月で53歳ですよ。サーフィンは12歳の時に大磯で始めました。ノースショアに行きだしたのは16歳のときです。

Q;サーフィンを始めて41年。ノースショア歴は37年ということになります。ちょっと真似できない数字。いろいろなことがありましたね。そんなヒロミチさんが今一番に興味があるということはなんですか?
うーん(しばし絶句)。サーフィン。サーフィンですよ。すごい気持ちいいじゃないですか。やらなきゃダメなんですよ。サーフィンしないと体と心が参ってきちゃう。血圧が上がるし。お医者さんみたいに言えばサーフィンは薬なんですよ。(笑い)子供時代は試合に出て勝ちたい。それだけ。選手を辞めてからはチャレンジでしたね。相手はビッグウェイブだったりハードバレル。それが今はサーフィンをするために生きている。サーフィンをやって気が済むんじゃないし、いやなことが頭にあってサーフィンしに行くんじゃない。サーフィンは気持ちいいんです。いやなことが頭にあったり、上手く乗れないと海から上がって調子が悪くなってくる。そんな感じ。いいサーフィンできることが薬ですよ。
Q : 日本のサーフィンメディアの歴史の中で、日本はもちろん世界中で数々のスーパーショットをヒロミチさんは披露してきました。好きな波って、どんな波ですか?
波はチューブでもロングウォールでも両方いい。でも、どっちかといったらチューブがいい。ブレイクの善し悪しはあるけどチューブの形が大事。だけど、どこがベストの波なのかは決められない。バックドアとかサンセットがあるノースショアはもちろん素晴らしい。でも日本の河口にも良さがあり、タヒチにはハンパじゃないハードリーフがいっぱいある。もちろんキラやバーレーだって最高だし。最近は1本いい波に乗れたらそれでいい。そんな気持ち。コンディションが悪いときでもいい波に乗れるときが必ずある。2本でも3本でも同じ。0本でなきゃいい(笑い)。
Q : プロサーファーなど選手を数多くスポンサードしているSSJサーフボードのオーナーとしてみると、どんなサーファーをチームに入れたくなるんですか?
試合には勝ち負けがあるんですけど、選手としては強い方が良いに決まってます。それといつも前向きな奴がいい。例えば脇田。パイプラインに立ち向かう精神力。集中力。パイプラインにすべてをかける姿勢。パイプのバレルはスペシャルで絶対にファンじゃない。ビューティフル、ハードコア、デンジャラス。サーファーが求めるすべてがあそこにはある。そこを本気になって攻めているから脇田は外国人からもリスペクトされている。大野マーもそう。この2人は凄いですよ。試合とフリーサーフィンのバランスが大事ってこと。試合でも勝って、いい波にも乗れる。どっちか片方というのが多いけど。両方がベスト。
Q : 40年サーフィンしてきて、今思うことはなんですか?
皆で一生懸命やってきたのにプロサーフィンがもり下がってきたことが気になります。盛り上げるにはどうしたらいいのかと。今は一般のサーファーの興味がプロサーフィンに向いてない。昔は今よりプロサーフィンを囲む状況に活気があった。業界の勢いとかも上がってこない。サーフィンはどんどん進化し続けなければならない。なのにプロサーフィンがもり下がる。俺たちの責任も確かにある。サーファーのニーズが昔とは比較にならないくらいに幅広くなった。そんななかでハードコアとか本物のサーフィンを解ってもらうにはどうしたらいいか。サーフィンの上手い下手ではなくて、サーフィンに対する気持ちと取り組み方なんだということ。いい形でサポートしていければと考えてます。

Q : では最後に、これからどうなるんでしょうか?
千葉県知事に当選した森田健作氏のスローガンと同じ(笑い)。ハリキル! それしかない! お金はないけど昔はハリキッてた。波乗りにハリキリ。仕事にハリキリ。良くない時だからこそハリキル。サーフィンの良さを広く知ってもらい、本物のサーフィンを知ってもらう。全国の皆さんがサーファーになって欲しい。そっからさらにサーフィンの楽しさをもっと知っていって欲しい。それをどうやって伝えていくか。ハリキル! それしかないないですよ!
取材協力
インタビュー:大森修一
写真:GO NAMINORI