Alexって名前の男が台風をチェイスしに日本に来てたらしいよ。彼のことは初めて聞いたけど。彼は世界中のビッグウェーブを追い求めるプロのビッグウェーブサーファーみたい。
サーフシーンには色んな顔ぶれが登場しているけど、最近はサーフメディアには着いていけてないよ。もう、誰が誰なのか分からないんだ。
だから彼がビデオグラファーと現れた時、“去年のthe Surfer magazineの日本の巨大な波に乗ったJohn John Florenceを見て、またガイジンが来てるな”って心の中で思ってた。実際に世界中のサーファーがあの号を見て、Alexみたいに波を探しに日本へ来たサーファーはたくさんいるはずだと思う。
それで、彼が海から上がった時に話かけてバッドニュースを教えてあげようと思った。現実をね。“hey, 去年のJohn Johnはツイてたよ。最高のスウェルをスコアしたんだから。日本であんな波をスコア出来るのは、宝くじにでも当たるようなものさ” 僕は2週間前に日本でサーフィンしたバレルの波の写真を見せてあげた。彼はそれを見て、”今すぐここに行きたい!”。笑 残念ながら、その日はダメだった。砂の付き方も違うし、スウェルも風向きも悪く、台風15号のせいでそのスポットの全てに悪い影響をあたえていた。
代わりに、僕らはスウェルと風向きがちょっと合うリバーマウスに行った。でも彼が求めていたほど波はビッグじゃなかった。がっかりした彼が分かるよね。だって、ずっと運転して張り切ってトリップにお金かけたんだから。
一日目に、なんとか何本か波をゲットした。10フィートのバレルじゃなくてチェストハイのファンウェーブ。ビッグウェーバーがスモールウェーブにアタックしてるのには感激したよ。
彼は“次は?”と質問してきたけど、もうヘルプ出来ないと答えた。次の日どこに行くかは知っていたけれど、ビジターには秘密にされてるって事も分かってた。僕もビジターである以上、ビデオグラファーを連れたカリフォルニア出身の有名なプロサーファーと現れたら、色々問題になるはずだ。いや、僕はそんなバカじゃない。ただローカルをリスペクトしていて、分別がついてるんだ。Alexは車に乗り、立ち去った。僕も電車に乗り、家に向かった。
2日後、共通の友達を通じて、Alexはついに僕がサーフィンしていたポイントにやって来た。1日遅れだったけど、来ないよりマシだ。幸い、彼はサーフィンさせてくれるローカルを知っていた。僕らはワックスアップして、パドルアウトし、アンビリーバブルな波に乗った。Alexは、あの日(彼の最終日)のおかげで忘れられない旅になったと言った。一緒にサーフィンし、彼はバレルに入り、それから車に乗り込み、メンタワイに向かうために空港へ行った。忙しいヤツだけど、ラッキーだったね。彼の性格が好きになったよ。彼には自分の夢を叶えようという強い意思があるし、ギブアップしない。それにすごくナイスで、ローカルをリスペクトしたり、どうフレンドリーにしたらいいかも理解してる。だから一緒にパドルアウトして、目の前でバレルになる波を見た時、“ラッキーなガイジンさん、日本へようこそ”って言ってた。ナオヒロ、写真撮ってくれてありがとう。
ナオヒロ、改めてこの写真もありがとう。これはAlex Greyの日本で探し求めていたドリームバレル。Alex, 見つけちゃったね。ずっと秘密にしておいてよ。次の台風が来たら日本のどこかで会おう。君に出会えて良かった!keep on charging!