July: The Moment

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僕はいつも写真一枚一枚の裏側にあるストーリーを思い浮かべる。特に自分が撮った写真についてはね。全ては写し込めないけれど、興味深いものやグッドアングル、そのモーメントを探すんだ。
7月8日は普通の一日としてスタートした。朝起きたら、ニーハイの波でサーフィンする予定だった。ビーチに向かい、パドルアウトしたら、状況がかなり目まぐるしく変化し始めた。5分ごとに波はどんどんビッグになったけど、周りにはほとんど誰もいなかった。イェーイ、誰もこのスウェルを期待していなかったから、完全にノーマーク。数えたらサーファーが3人で、次々と来た波を代わる代わる乗ったよ。僕らだけで新しく入ってきたオーバーヘッドのサウススウェルのおかげで、みんなハッピーでドリームセッションだった。
毎日ロックパイルズでサーフィンしてるジャパニーズガールを見かけてる。ジャパニーズサーファーを連れて行ったら、時々彼女にドロップインしちゃうから、僕のことがあんまり好きじゃないと思ってた。でもいつもパドルバックしてくるときは笑顔なんだ。こんなビューティフルな日も、ずっと一人でアウトにいたよ。
水平線にヒュージなセットが来るのが見えた。スウェルがリーフにエネルギーをためながら揺れ動いてた。僕は、これがウェーブ・オブ・ザ・デイになると思ったから、ポケットからカメラを取り出した。向きを変え、彼女がテイクオフするのが見えるまで待った。ホワイトのビキニを着てブライトイエローのサーフボードに乗る彼女が僕の近くを通り過ぎていった。ボトムターンをするのを待ち、たったの1ショットだけ撮った。太陽も、波のテクスチャーも見えたし、後ろにはビューティフルなダイアモンドヘッドも見えてる。写真を撮ってチェックしたら、今回のは、オアフのサウスショアで撮った写真の中でベストショットだったと気づいた。
その子はアメージングな波をキャッチして、満面の笑顔でパドルバックしてきた。ボトムターンにフォーカスしてたから、僕が写真を撮ってたことには気づいていなかったけど、”hey, すっごくクールな写真撮ったよ!”と言ってあげた。絶対にこの写真をゲットして欲しかったから、メールアドレスを交換した。
DSCN0851
昨日の夜、やっとカメラから写真をダウンロードした。超ストーク!フォトグラファーとして、こんな写真を撮ることはすごくやりがいがある。このショットはカラーも、サーファーも、この一日も、信じられないくらいのもの。特に、このザ・モーメントがね!
Hey アイさん。やっと名前が分かって良かった。パーフェクトレフトの波を、僕の友達といつもシェアしてくれて、ありがとう。高解像度のオリジナルの写真を送るね。Enjoy it and see you in the water! Aloha

KIRBY FUKUNAGA
ハワイで生まれ育ち、プロサーファー、フォイラー、スキンダイバー、カメラマンの肩書きを持ち、ウォーターマンとして、海で多くの時間を過ごし、海から多くのモノをもらいながら生活しています。彼が伝えようとしていることは、海がある生活は僕らを豊かにしてくれるということ。そして、自分だけではなく、いろいろなことをみんなにシェアし、人生を楽しむということ。現在は、ハワイでプライベートサーフィンガイドを主催。
カービー福永のハワイサーフィンガイド
https://go-naminori.com/kirbyhawaiisurfingguide