Catastrophe is Disaster

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good morning. 僕は人生の覚悟をしていたと思っていた。
でも間違っていた。今まで学んだり見てきたものは、
人生を怖がらせていたかもしれない。僕は強いけど、
思っていたほどではなかった。言葉を失った?
違うんだ。ただ、スタートの仕方が分からなかったん
だ。津波? 地震? 放射線? 政府?
でも僕はやり遂げる。なぜなら、もう感情を吐き出し
たから。
昨日、“放射線区域”に入った時、ナーバスだった。
たくさんの人が、そこに立ち入るなと言ってくれたけ
ど、僕は決心した。そして、そこに行くことが、僕の
今までの人生の中でベストな選択だった。なぜって?
僕は日本人について、また自分自身についても学んだ
からだ。彼らは強い。そして僕も強くならなきゃ。後
で別なストーリーがある。
僕らは市内を運転しては止まり、人々と話して、必要
な物資を渡して支援しようとした。周りを見渡して写
真を撮ったら、今だかつてない場所に気持ちが引きず
り込まれた。何も失っていない人もいれば、全てを
失った人もいた。笑顔の人もいれば、泣いてる人もい
た。
上の写真をみた? 前にサーフィンした“北泉”とい
うポイントに立ち寄った。僕はこの町に、すごくフレ
ンドリーな人達がいるのを覚えてる。それと白い砂の
ビーチに透明な水…すごく鮮明に。でも今は、正反対
だ。そこは真っ平らで、命あるものがない。日本の自
衛隊はそこで生存者を探すのではなく、遺体を探して
いた。そこには形見を握りしめて何かを探すおばあさ
んがいた。そこにいる間に、緊急サイレンが鳴った。
僕はすごく怖くなった。
この任務のために、僕自身、覚悟した方がいいんだ。
自分が何を見たいかを理解し、もっと強くならなくて
は。たった一日で見た全てのものが、僕の心と身体を
引き裂いた。ばかみたいだよ。そう、僕は必要ないも
のを持っていて、小さなことにまだ文句を言う。そし
て僕を邪魔するものは何もないんだと思っていた。僕
は間違っていた。人生には学びがたくさんある。こう
いうことを考え終わって、答えが出たんだ。日本人か
ら学ぼうと。もし彼らみたいに強くなれたら、僕を邪
魔するものは何もなくなる。
堂々巡りでごめん、だけどこれが僕の今の気持ちだ。
今日は再び深刻な場所に行く予定。気がおかしくなり
ませんように。
僕はただ、世界が日本のために祈ってくれることを願
う…

KIRBY FUKUNAGA
ハワイで生まれ育ち、プロサーファー、フォイラー、スキンダイバー、カメラマンの肩書きを持ち、ウォーターマンとして、海で多くの時間を過ごし、海から多くのモノをもらいながら生活しています。彼が伝えようとしていることは、海がある生活は僕らを豊かにしてくれるということ。そして、自分だけではなく、いろいろなことをみんなにシェアし、人生を楽しむということ。現在は、ハワイでプライベートサーフィンガイドを主催。
カービー福永のハワイサーフィンガイド
https://go-naminori.com/kirbyhawaiisurfingguide