ISHINOMAKI SURF

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ハワイでの最終日、日本へのフライトに乗る前に一つ
だけ波に乗ろうと、ボウルズで入った。しばらく海に
は入れないと思っていた。実際、それは僕にとって初
めて長く海に入らないことになるだろうと思ってい
た。とにかくパドルして波をつかまえたかった。ビー
チに着いた時、ローカルのサーファー友達に会ったの
で、“調子はどう?”と聞いた。友達は、“ああ、波
は小さくてジャンクなコンディション。来なければ良
かったよ” 僕は彼を見て、むかついた。こんな時に
そんなことを僕に言うなんて最悪だった。僕は後ろを
向いて何も言わずに立ち去った。今までこんなつまら
ないことはなかった。僕が言いたかった事は、“hey,
海にもっと感謝しなきゃ。波について文句は言っては
いけない。サーフィンは楽しいものなんだ。君は海に
入ったらただ楽しむべきだ。今、日本には、小さくて
ジャンクな時にもサーフィンしている人たちがいる。
僕も含めて” 海に入らないでまだたった5日だけど、
次にサーフィン出来る日が待ち遠しいよ…
この写真は2日前の石巻の波。安全って? いつ海に戻
る事が出来るかは、僕も分からないし、誰も知らな
い。そんなの悲し過ぎるよ… でもこないだ、海岸を
散歩していたら、よみがえさせられた。それは、もう
一度僕らがここでサーフィンする日が来ると、僕に気
づかせてくれた。そしてその日が来た時は、僕もそこ
の一員になりたいと思ってる。

KIRBY FUKUNAGA
ハワイで生まれ育ち、プロサーファー、フォイラー、スキンダイバー、カメラマンの肩書きを持ち、ウォーターマンとして、海で多くの時間を過ごし、海から多くのモノをもらいながら生活しています。彼が伝えようとしていることは、海がある生活は僕らを豊かにしてくれるということ。そして、自分だけではなく、いろいろなことをみんなにシェアし、人生を楽しむということ。現在は、ハワイでプライベートサーフィンガイドを主催。
カービー福永のハワイサーフィンガイド
https://go-naminori.com/kirbyhawaiisurfingguide