WCT Tour Cancellation Story…

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僕らはロックダウンしてから、どこにも行けなくなってる。だから、今回のトリップは自分にとって、かなり意味のあるものになるだろうと思ってた。誰よりもこのトリップを必要としていて、誰よりも行きたかったんだ。でも、考えたとき、セスは僕よりも必要としているんじゃないかと思った。セスは12歳の頃からずっと旅をしてきて、夏のあいだハワイにいるのは初めてだと思う。WTCツアーがキャンセルになってしまったけど、彼はいい方向にのんびり考えているんだ。それに、ロックダウンがなかったら、こんな風なファミリーでの経験は実現しなかったはずだ。だから、セスが午後に休憩できるようにスペースを作ってあげた。そしたら、何だかおかしなことに気づいた…ボートに戻ってくるときにスピアガンをエッジに引っ掛けたままにしてた!落ちなかったのにはビックリしたよ。haha. この子は色んなものをなくすんだよね。一日中潜って、かなり疲れたから、サンセットタイムのビールはすごく美味しかった。暗闇でディナーを食べ、釣りをし、星を見て、会話を楽しんだ。今回のトリップでは、メールのチェックもせず、キッズに100%を注いだ。暗くなる前に、ボートのアンカーを下ろし、動かないようにしてと伝えた。いつもは自分でするけど、キッズを信頼してた。 そうしたら、真夜中に何かがおかしい??? アンカーロープが切れて、ボートがあやうく岩に乗り上げるところだった!!! 懐中電灯をつけ、キッズにもう一度しっかりアンカーさせた。こういうことは彼らにとっては学びのプロセスになるから、僕がいるときに起こって良かったと思う。あとでジョシュアに聞いてみた。”hey, もしも彼女か誰かと2人きりだったらどうする?”って。彼は、”そうなんだ。そんなこと考えてたよ” だって。haha. だから僕は子どもたちには、こういうアクシデントを避けるために、どうやってボートを正しく安全にするかを説明する時間をとったんだ。みんなこうして学ぶんだ…ジョシュアとベンジーは後ろで星を眺めながら寝て、僕とセスはキャビンで寝た。一晩じゅうイジメられて寝言を言ってるセスには笑うしかなかったよ。僕は熟睡できなかったけど、セスはぐっすりだったね。そしてもちろん僕がいちばん朝はやくに起きて、また素晴らしい一日に備えるんだ!起きてサンライズを見て、シカがビーチで遊んでいるのをみて、最高の自然をエンジョイした。ワイルドな海に守られてる小さな入り江を見つけた。この場所で夜を過ごしたのは初めてだったけど、絶対にまた来ると思う。こんなビューティフルな場所を見つけて大興奮だったよ!
帰る途中、キッズにこう伝えた。”hey, ちゃんと見て、こういうことを学ぶように。僕がいなくても、いつか君らが同じことができるのを願ってるんだ。僕が死んだら、Mayukiを遺産として受け継いでいってほしい。友達や家族、大切な人たちを連れてきて、人生最高の思い出を体験してほしいんだ” 彼らはちょっと黙っちゃったけどね。haha.

KIRBY FUKUNAGA
ハワイで生まれ育ち、プロサーファー、フォイラー、スキンダイバー、カメラマンの肩書きを持ち、ウォーターマンとして、海で多くの時間を過ごし、海から多くのモノをもらいながら生活しています。彼が伝えようとしていることは、海がある生活は僕らを豊かにしてくれるということ。そして、自分だけではなく、いろいろなことをみんなにシェアし、人生を楽しむということ。現在は、ハワイでプライベートサーフィンガイドを主催。
カービー福永のハワイサーフィンガイド
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