谷口絵理菜 – erina taniguchi –

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谷口絵理菜優勝インタビュー
ほんまに嬉しい。優勝という最高の結果で今年をスタートできました。 堂々たる貫禄勝ち。JPSA女子チャンピオンにふさわしい谷口絵理菜の優勝だった。女子の決勝は30分間。ヒートがスタートして15分すぎまで波が入らずノーライド。チューブライドを完璧にメイクしてわからして勝つという戦略を目論んでいた絵里菜は、これではいけないというところでリッピングに切り替えて4.5 ポイントと5.83を出して暫定トップをまずはキープ。この時点で2位の杉山には2.66差。1本目に大きなラインでリエントリーリップの2連発を決めて7.67ポイントを叩きだしていた杉山に勝つにはどうしても8点以上のハイポイントが絵里菜には必要だった。そして勝負の分かれ目がやってきた。残り11分となったところでクリーンセットが次々に入りはじめた。もちろんファイナリスト4選手が全員勝負にでた。杉山、北川、萩原と、対戦相手が6ポイントから7ポイントで終了したのに対し絵里菜は8.67。チューブメイクはならなかったがクラマスの高速クリーンフェイスをスピードとパワーで切り刻んだ。そして残り3分には再びクリーンウォールをパワフルにメイクしてだめ押しともいえる8.03をマーク。これで勝負あり。JPSAディフェンディングチャンピオンとして’09年開幕戦を優勝で飾り幸先のいいスタートを切ることとなった。

Q : 優勝おめでとう。
嬉しい。ほんまに嬉しい。今日はあまり緊張しなかったと感じてます。3月のWBC侍ジャパン優勝を見れたんでメンタル面が強くなったのかもしれません。他の選手とは違って、1月、2月と外国へは行かずに九州の宮崎で練習してきましたから。最高の結果で今年をスタートすることが出来ました。
Q : 侍ジャパンの何が刺激になったんですか?
9回裏に同点に追いつかれたダルビッシュがきちんと3アウトで終わらせたところ。それと10回のイチロー。世界中が固唾の飲んで見守っているあの場面で、粘りに粘って最後はヒットをかっ飛ばす。最後の最後まで諦めないメンタルの強さを見せてもらいました。
Q : ファイナルヒートは途中で杉山プロに2.66差まで詰め寄られました。振り返ってみてどうですか?
決勝の前に行なわれた男子のヒートでグッドチューブが入ってきてたんで絵里菜も狙っていこうと考えてたんですけど、いざヒートがスタートしたらなかなか波が入ってこなくて作戦がまったく外れちゃいました。それでリッピングに切り替えて攻めはじめたんですけど、最初の2本はフィニッシュが流れちゃって自分の思うようなポイントが稼げてないんで不満でした。振り返ってみればヒート時間中の勝負所でセットは入ってきたわけで、改めてチャンスを待つことの必要性を学んだヒートだったし、もっとボトムを使ってスピードを稼ぎながらレイルワークでパワーを見せつけるみたいな、出来たら9ポイントか10点満点が欲しかった。

Q : 絵里菜は過去4回開催されたJPSAクラマス大会で通算3勝。今回で2連覇。しかも男子も林健太が2連覇とまたもや四国勢が大活躍でした。強さの秘密は何だと思いますか?
2連覇はまったく意識してませんでした。とにかく目の前にあるこの大会に優勝すること。それだけを考えてました。四国勢の強さはクラマスと四国の河口の波がそっくり似ているからです。チューブの形とか、波の掘れ方がとにかくそっくりだから。絵里菜にとっては自分の好きな波だし、自分がベストパフォーマンスできる波。そう感じてます。
取材協力
インタビュー:大森修一
写真:木本直哉