2009年4月19日に人生の節目となる還暦を迎えた戸倉さん。大好きなメンタワイでバースデイツアーを楽しんできた。すると本番当日の19日。還暦祝いの赤 いベストを着用した戸倉さんにハッピーが連発。一日中神がかった出来事ばかりの誕生日となった。よーし、これからだという気持ちがわいてきた。戸倉さんの還 暦はサーファーでいる喜びを実感する素晴らしいものとなった。
Q : 還暦を迎えて、今回はどんな旅でしたか?
これまでで一番気合いが入ったトリップだった。とくに60歳になった誕生日の4月19日は思い出に残ることばかりで、ハッピー連続の一日だった。まず朝一番、還暦祝いに会社の皆が作ってくれた金ダブマークの赤ベストを着せられてマカロニに入ったんだけど、この真っ赤なベストがマジックだった。よーし、これからだという気持ちがわいてきたんだ。俺に凄いパワーをくれた。それでマカロニでは一発目の波からリッピング。調子よかった。今までしなかったリップが自然と出た。赤ベストのおかげだよ。それから昼になってマカロニからHTに移動する途中のダイビングスポットではカービーが得意の素潜りで30kgのビッグ GTを仕留めた。水深30mで海底の見えない溺れそうな海の中からハヤトと二人掛かりで引きずり上げたんだ。夜のパーティーは盛り上がったな。魚が卵をもってたんで楽しみにしていたけれど、それは出てこなかった。クルーへのプレゼントかな。それで夕方AFHTでセッション。奥のメインピークからちょっと外れた左のピークにポジションするんだけど、その時左にいたのは戸田と松尾、入っていっていってすぐに乗せてもらった波が凄かった。パーフェクトでツルンツルンなクリーンバレルを体に触れずにボッコリメイクしちゃった。HTで初めて吠えたよ。スピッツがハッピーバースデイをいってくれた。神様がくれた波だと感激した。そんなわけで、一日中神がかった出来事ばかりの誕生日だった。
Q : まさにハッピーの連続。思い出に残る誕生日でした。
旅には何かしらのトラブルがつきものだろう。それがないんだから。シャローリーフのメンタワイではズタズタにされるものだけど、今回はそれもほとんどなかった。こんなにハッピーが連続する旅は俺も初めてだよ。旅が終わる最後の日も、たまたま記念に撮った夕日の写真が、見たこともないな形でダルマさんになってた。縁起のいいダルマさんが見えるくらいだからな。
Q : メンタワイが大好きなんですね。
1997年が最初。サンダースのバレルではまったんだ。シャローでリスキーな波だから体がクッとしまる。そんな波が好きなんだ。以来ずっと通いつづけている。メンタワイは大自然の中をクルージングしながらサーフィンが楽しめるんだからいうことなし。夜空に輝く星のきらめきもとくべつ綺麗だし。今回お願いした 234号は頼りになるヨットだから快適だった。
Q : これまでの人生を振り返ってみて、今どんな気持ちですか?
サーフィンは16歳の時に吉浜で始めたんだ。それから44年。サーフィンをしたいためにビジネスを起こし、休みなくずっと続けている。それだけ。60歳の節目にHTで友達に支えられて素晴らしい思い出を刻めた。これはでかい。もっとサーフィンする勇気がわいてきた。この節目を迎えられたのも、家族、会社の皆、そして日本全国にいる友達のおかげ。感謝しています。
取材協力
インタビュー:大森修一
写真:カービー福永