Cloud Nine: Inside the Philippines’ most famous wave

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“ハワイ出身のカービー・フクナガ。このポイントがギリギリ棚もちする最大のスウェルが到来した日。これ以上のサイズになるとバレルセクションはピークから外れてしまう”

20年くらい前、9.11の同時多発テロの直後にフィリピンへ行った。その当時、テロリストたちはジャングルで訓練をし、観光客を誘拐して殺害したりしていた。アメリカではフィリピンへの旅行を禁止する”レベル4(渡航禁止)”が発令されていた。家族は反対したし、そこへ行くなんてクレイジーだと思っていた。僕はアタマが固かったから、テロリストを勝たせるわけにはいかないと思っていた。自分がそこへトリップしに行かなければ、彼らに勝たせることになると。とにかく、そこでの2週間は毎晩、寝る前に枕元にパスポートがあるか現金があるか、マスクとスノーケルがあるかどうか確認していた。何かあったら、海に飛び込もうと考えていたんだ。そうすれば生き残るチャンスはかなり高いと思ってた。いま考えると、とんでもない話だね。haha.

とりあえず、これがCloud 9での初めてのサーフィン。この日はスーパー台風が接近中だった。歴史的な波を送り届けるのにも、パーフェクトな天気を保つのにも十分な距離だった。この日は8-10フィートで非常に危険だった。シャローなリーフの上でスティープなテイクオフをしたのを覚えている。この波の後、フォトグラファーが僕にこう言ったから、この日のことははっきり覚えているんだ。”歴史的なショットを手に入れたね。このショットは世界中の雑誌に掲載されるよ!” すごく嬉しかった。その夜はサンミゲルを6本飲んで、満面の笑顔で爆睡した。起きたとき、パスポートと現金とスノーケルを枕元に置いておくのを忘れてたことに気づいた。しあわせな気持ちで死ぬところだった…

KIRBY FUKUNAGA
ハワイで生まれ育ち、プロサーファー、フォイラー、スキンダイバー、カメラマンの肩書きを持ち、ウォーターマンとして、海で多くの時間を過ごし、海から多くのモノをもらいながら生活しています。彼が伝えようとしていることは、海がある生活は僕らを豊かにしてくれるということ。そして、自分だけではなく、いろいろなことをみんなにシェアし、人生を楽しむということ。現在は、ハワイでプライベートサーフィンガイドを主催。
カービー福永のハワイサーフィンガイド
https://go-naminori.com/kirbyhawaiisurfingguide