Hotel Asia

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2000年のこと。僕らは超大型台風をチェイスして沖縄へ飛んだ。結果、そのまま30日間もステイすることになった。みんなでずっと同じホテルにステイしていたけど、そのホテルが一泊だけオーバーブックしていたから、僕だけ別なホテルに移動してくれないかとお願いしてきた。その日は台風の真っ只中で、土砂降りのなか、ここ”Asia Hotel”に送り届けられた。暗いロビーに入ったら、変な感じがした。キーを受け取って部屋に入ると、数分もしないうちにライトが点滅し、奇妙な音がして、幽霊がいるような気がした。そのときまで、僕はそんな経験は一度もしたことがなかったし、幽霊の存在を信じてもいなかったんだ。めちゃくちゃビビった!スーツケースを持って階段を降り、フロントデスクにキーを放り投げてホテルを出た。その頃は携帯電話がなかったら、誰にも連絡できなかった。土砂降りで風速40mの中をずぶ濡れで歩き、もともと泊まっていたホテルへ行った。フロントデスクにいくと、受付が”omg,大丈夫ですか?”と言った。僕は”いいえ。大丈夫じゃありません。ロビーの床の上で寝てもいいので、ここに泊まります”と答えた。受付の子は”OK.ストックルームから布団を持ってくるので、一晩こちらで寝てもいいですよ”と言った。あぁ、よかった。次の日の朝、沖縄の友達にこの出来事を話したら、みんなが笑った。あのホテルで幽霊を見たのは、僕だけじゃなかったようだ。それ以来、僕は幽霊の存在を信じているんだ。

ナカホドさん、Asia Hotelのいまの様子を送ってくれてありがとう。あの日の夜のことを考えると今でもゾクゾクする…

KIRBY FUKUNAGA
ハワイで生まれ育ち、プロサーファー、フォイラー、スキンダイバー、カメラマンの肩書きを持ち、ウォーターマンとして、海で多くの時間を過ごし、海から多くのモノをもらいながら生活しています。彼が伝えようとしていることは、海がある生活は僕らを豊かにしてくれるということ。そして、自分だけではなく、いろいろなことをみんなにシェアし、人生を楽しむということ。現在は、ハワイでプライベートサーフィンガイドを主催。
カービー福永のハワイサーフィンガイド
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