バニャック列島を探検したサーファーのグループは僕らが初めてだった。その島々にはボートでしかアクセスできなかったから、バニャックまで約40時間かかるパダンからボートに乗っていくしかなかった。当時、他にはボードもサーフキャンプもなかった。僕らだけでどのポイントも貸し切りで、なりふり構わず波に乗る人はいなかった。それに、僕らの仲間には”The Niseko Snow Surfers”というスペシャルなサーファーたちがいた。そのトリップでは僕はフォトグラファーとして参加したから、レンズ越しで海を見ていた。こちらはトレジャーアイランドのパーフェクトウェーブに乗る、Gentemstick創設者の玉井太朗。彼は雪山でするのと同じように波をカーヴィングしていた。見ていて美しい姿だった。
撮影がないとき、僕は魚をスピアしに行った。到着するまでには2日間かかり、夕方の暗くなる前に到着したのを覚えている。ボーイズはサーフィンに行っていて、僕は夕飯用の刺し身の盛り合わせをハントしに行ったんだ。そこには手付かずのリーフがあり、魚市場に行くような気分だった。いつも毎晩、刺し身とビンタンでパーティーしたよ…
それから10年後にもう一度バニャック列島へ行ったら、ボートもサーフキャンプもあり、サーファーがたくさんいた。宝物は見つかってしまったようだ…