ミッション2で、僕らは支援物資が届いていない古淵浜に物資を運ぶために立ち寄った。そこは漁師さんに出会った場所。親切で優しいその人は、ある理由で強い存在感を放ってた。彼は笑わなかったけど、その人柄にオーラみたいなものと強さを感じ取れた。彼の名前は木村さん。3月11日に地震と津波が襲った後、石巻市まで車で戻ろうとしていた奥さんと息子を探しに外に出た。残念ながら、彼の息子は車の中で亡くなっていて、奥さんは今日この日まで行方不明のままだ。2人の娘と下の男の子は幸い、生きていた。
ミッション3で彼と再会した。僕らがちょうど物資を降ろしているとき、彼は2人の娘さんたちを学校に連れて行くところだった。僕はその子たちを見て心が痛んだ。母親やお兄さんを亡くした子どもたちに向き合うことすら出来なかった。辛すぎて、彼女たちの表情や、2人の子どもたちを抱いてる木村さんを見られなかった。今日までずっと僕の心には木村さんと2人の女の子たちの悲しい表情が焼き付いている。
ミッション3の後、牡鹿半島の学校で剣道の道具が必要とされていることが分かった。マツが“We Are One”の寄付で道具を一箱注文してくれた。それで、僕らはミッション4で手渡ししに行ったんだ。後で分かったんだけど、木村さんは剣道の先生だったんだ。僕らは再び会った。
これが僕の人生を変えた日。木村さんが子どもたちを指導するところを見せてくれて、映画の中のスーパーヒーローみたいに道場を移動するのを見て、息を飲んだ。僕は本物のサムライの行動を見て、畏敬の念を抱いたよ。この日立ち会ったような出来事は今まで見た映画には出てこなかった。道場には、強さ、パワー、文化、尊敬が全て存在した。
みんながなぜミッションをするのって質問する。どうして戻ってきてくれるのって聞く。どうしてか、教えてあげる。3つの理由があるからだよ。
一つ目は、みんなが必要とするものが今もあるから。
二つ目は、寄付をふさわしい所へ確実に手渡しするため。そう、他の機関へ寄付することは簡単だけど、僕らのミッションの主な目的は手から手へと寄付することなんだ。僕らは本当にたくさんの人に色んなものを手渡しすることを約束したし、それが僕らのやり方なんだ。
あとは、これ。みんなの笑顔を見るために続けているんだ。ミッション4で見た木村さんの笑顔は僕の人生を永遠に変えた。この写真を見たとき、涙が溢れた。悲しみだけでなく、嬉しさも感じた。僕は津波で家族を失ってはいないけど、その気持ちを感じた。僕の心の傷は東北の人たちの半分にすら及ばないけれど、今もまだ存在している。物事が前に進んでいるのを自分の目で確認する必要があるし、自分の目でみんなの笑顔が見たいんだ。きっとそうすることが僕やチームが安心できるプロセスなんだと思う。みんな同じ気持ちだから、笑顔が見れればもっともっと頑張りたいと思うだけなんだ。そしてもっと頑張るつもりだよ! 11月のミッション5で会おう。
WE ARE ONE