ONE from Hawaii!

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親友のホリイが、“どうしてそんなに色んな事をするエネルギーがあるの?”と聞いてきた。正直、僕にも分からないよ。自分自身、10代の頃より今の方がエネルギーがあると思ってる。僕は常に活動していて、同じ場所に長く留まっていられないんだ。気持ちはフルスピードで進んでいるのに、身体は着いていこうと必死だ。今は、ミッション5も併せた別なトリップに向けて荷造りしてるところ。本来なら前回のトリップの荷物を片付けなきゃいけなかったのに、忙しくて片付けられなかった。だけど、荷造りする度に、どんどんシンプルになっていくよ。前は必要だったものが要らなくなったり、前に欲しかったものが欲しくなくなってる。ただ、僕の周りにハッピーが欲しいだけなんだ。
めちゃくちゃ忙しい毎日を送っているけど、考えたら分かるとおり、僕には海だけあればいいんだよね。こないだ、色んな事にストレスを感じてた。気が狂いそうでオーバーヒート寸前だった。ほんの小さな事に怒ったりしてたんだ。スケジュールはいっぱいだったけど、約束をキャンセルして水に飛び込んだ。ファーストウェーブに乗ったら、気持ちが穏やかになったよ。すごくシンプル。
この前のプライスレスナイトの話。家族や友達が、たまに行くこのバーでサプライズをしてくれた。ちょっと遅くなった誕生日とWe Are Oneパーティーみたいだった。中に入ってみんなを見たとき、本当に驚いたよ。実際は感情を表さなかったけどね。いつもびっくりさせてくれるみんなにお礼が言いたかったけれど、同時に、みんながここに来てくれた事を申し訳なく思ってた。正直言って、今年はお祝いしてもらう雰囲気じゃなかったんだ。もしこれが去年なら、飛び跳ねて、わめき叫んで、朝日が出るまで飲んでたはず。だけど今年は全てが違うんだ。僕の気持ちは今も東北にある。僕が見たり聞いたりしてきたことは、決して消えない傷跡みたいなものだ。僕は心に傷を負ったわけじゃない。被災者の人たちを気にかけて、将来が心配なだけだ。そう、僕は世界でも最高に美しい場所に住んでる。だけど日本は第二の故郷でもあり、僕の命の半分なんだ。いつかそのうち、みんなが逃げ回るようなクレイジーカービーが戻ってくる時が来るはず。だけど今は、祝ってもらうにはふさわしくないんだ。東北が100%元に戻るのをこの目で見られたら、世界最大のパーティーを開催するからね。それまでは、どうか2011年3月11日に何が起こったのか、忘れないでいて欲しい。
ハワイ州のニール・アバクロンビー知事とピーター・カーライル市長から、僕らのWE ARE ONEの功績について、こんなに特別な手紙をもらえて誇りに思うよ。家族や友達、見知らぬ人、そして政府のサポートのおかげでWE ARE ONEは力強く続いていくことができる。ミッション1の後に話した通り、これはずっと続けていくつもりだよ。僕は土曜日から東北に行ってベストを尽くすつもり。もう一度、みんなのサポートに感謝します!aloha.

KIRBY FUKUNAGA
ハワイで生まれ育ち、プロサーファー、フォイラー、スキンダイバー、カメラマンの肩書きを持ち、ウォーターマンとして、海で多くの時間を過ごし、海から多くのモノをもらいながら生活しています。彼が伝えようとしていることは、海がある生活は僕らを豊かにしてくれるということ。そして、自分だけではなく、いろいろなことをみんなにシェアし、人生を楽しむということ。現在は、ハワイでプライベートサーフィンガイドを主催。
カービー福永のハワイサーフィンガイド
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