ファイナルが終わったあと、セスの仲間たちみんなが彼を担ごうとビーチへ走っていった。彼は2位だったけど、僕らのヒーローだからビーチで担がれるのは当然だった。でも、セスは海から上がってきてすぐ、ケリーを肩に乗せて担いだんだ。こういうところがセスらしい。先輩をリスペクトし、自分自身よりもほかの人のことを大切にする。ケリーはキングかもしれないけど、セスは今ではサーフィン界のプリンスだよ!!!
僕は隣に走り寄り、写真を撮った。可愛い甥っ子が世界に”アロハ”とはなにかを示してくれていることに涙が出そうになった。あの瞬間はスポーツマンシップの極みだった。仕組まれたものでも、計画的なものでもなく、心から生み出されたものだった。いろんな人たちが、イベントでのセスのアクションについてコメントしてた。彼のチューブや世界のベストサーファーたちに勝ったことがみんなのハイライトだったけど、僕にとってはこの瞬間がハイライトだった。
10年以上も前にこの写真を撮った。バックドアセッションから帰ってきて、ビーチに座っているセス。あの頃、僕は友達のみんなに、この子ならどんな人生を選んでも上手くいくだろうと言っていたんだ。そして、彼がそのことを証明してくれたよ!