Saturday at Bowls: Surfers vs. Canoe

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ハーバーに戻るのに近道をしようとしているカヌーを何度も見ている。ボウルズのラインナップで波待ちをしながら、こんな光景を見るのは日常茶飯事だ。ラッキーな時もあれば、そうでない時もある。土曜日のケースでは、カヌーの舵取りは、波を通り抜ける方が早いと思っていたんだろう。僕の近くを通り過ぎて行くときに彼の目線を見ていたけど、彼は一度も水平線の方をを見ることはなかった。サーファーのすぐ近くを近道するなんて信じられなかった。こんなことをする理由なんて一つもないはずだ。


かなり近い!広い海があるのに、僕らサーファーたちの近くにくる必要なんてある?弁解の余地なし!


僕は、この写真の左側で波待ちをしながら一部始終を見ていた。カヌーがかなり近づいたのも、アウトサイドからセットの波が来るのも、何が起きるのかも見ていた。


うねりがリーフに当たると突然ブレイクする。こんなふうに近道で横切ろうとしたら、成功のチャンスはゼロだ。


これはやっと舵取りが波をみた時の写真だが、遅すぎた。5人のサーファーがパドルアウトして、避けようとしているのを見て。


波がブレイクしてカヌーがひっくり返り、乗客は投げ出された。パニックの始まりだ。舵取りはみんなにカヌーにつかまるようにと言っていた。みんな必死でしがみついていたが、カヌーが誰かにぶつかったら怪我をする。そこは最も危険な場所だ。だから、僕は乗客に波が来るからカヌーから離れなさいと叫んだ。乗客のなかには泳ぐことすらできない人もいたはずだ。ライフベストを着用している人もいなかったし、どうしたら良いのか分からず、操舵手が誰かすら知る人もいなかった。まさにカオスだ。みんなはどれほど最悪なシチュエーションが待ち受けているかに気づいていなかった。幸いにもけが人はいなかった。でも、数人にとっては今後ずっとトラウマになるはずだろう。

KIRBY FUKUNAGA
ハワイで生まれ育ち、プロサーファー、フォイラー、スキンダイバー、カメラマンの肩書きを持ち、ウォーターマンとして、海で多くの時間を過ごし、海から多くのモノをもらいながら生活しています。彼が伝えようとしていることは、海がある生活は僕らを豊かにしてくれるということ。そして、自分だけではなく、いろいろなことをみんなにシェアし、人生を楽しむということ。現在は、ハワイでプライベートサーフィンガイドを主催。
カービー福永のハワイサーフィンガイド
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